きみしゅう

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宇宙企業家「袴田武史」の道のりと魅力【HAKUTO】【ispace】

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2017年7月30日、ホリエモンこと堀江貴文さんが中心となって創業された宇宙ビジネス企業「インターステラテクノロジズ社」が行った、通称「ホリエモンロケット」の打ち上げは、残念ながら宇宙空間には到達することができませんでした。

 

堀江さんはその後、このようにツイート。

 

大勢の人が、 堀江さんのチャレンジを称賛し、次回の打ち上げへの期待を膨らませました。

 

 

そんな2017年の年末に、もう一つの宇宙への挑戦が、ある一人の人物を中心として動いていることを知ってもらいたいのです。

 

 

袴田武史とHAKUTOの道のり

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出典:HAKUTO

 

袴田 武史(はかまだ たけし)

1979年生まれ。名古屋大学工学部を卒業後、米ジョージア工科大学大学院に進学し、航空宇宙システムの概念設計で修士号(Aerospace Engineering)を取得。帰国後、コンサルティング会社に入社。2010年『Google Lunar XPRIZE』への参加を目的に設立された『White Label Space』にボランティアとして参加。当初日欧混成チームとして活動したが、2013年欧州チームの撤退を受け、組織を日本単独の『HAKUTO』に改組。運営母体であるispace社を設立し代表に就任。人類が宇宙で生活圏を築き宇宙と地球が共存する世界を構築するため、宇宙ロボット技術を活用し民間宇宙事業を推進中。

 

異端児

袴田さんは、日本の宇宙業界の中では異端児ではないでしょうか?

 

日本人が「宇宙」に関わろうとすれば、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)か、NASA(アメリカ航空宇宙局)を目指すのが一般的です。

 

そんな中、彼が就職先に選んだのは外資系のコンサルティング会社でした。

 

袴田さんは、国家による宇宙開発だけに頼らず、民間でも宇宙開発ができれば、宇宙へ人が行き来する未来が近づくと考えていました。

そのためには、エンジニアの力だけではなく、資金手配や経営の力も必要です。

そこで、自分が一人のエンジニアとしてやるより、エンジニアが活躍できるフィールドを創る方法を模索していたのです。

 

「HAKUTO」(ハクト)誕生の経緯

2007年に始まった「Google Lunar XPRIZE」は、賞金総額3000万ドル(約30億円)の世界初の月面探査レース

 

Google Lunar XPRIZE、それはGoogleのスポンサードのもと、XPRIZE財団によって運営される世界初の月面探査レースである。賞金総額は3000万ドル。しかし、その目的は単なる賞金レースではない。このミッションの本当の目的は、起業家の挑戦心を刺激し、低コストによる新しい宇宙ビジネスの育成や月資源の効率的な開発と利用を実現することにある。またこのレースに参加した各国チームの月への困難な挑戦を世界中の人々に公開することで、次世代のテクノロジーやイノベーションに関わる人々を、さらなる宇宙への挑戦へと駆り立てることも、このミッションの重要な目的である。

 

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レースへの参加は、袴田さんの友人の結婚式がきっかけでした。

その席で、日本と共同でチームを組んで、ロボット技術や資金を補おうとしていたオランダチームの関係者からオファーを受けたのです。

 

半年間悩んだ末の決意。

 

袴田さんは、コンサルティング会社を続けながら、オランダと日本の共同チームのボランティアとして活動に参加することにしました。

 

その後、ボランティアメンバーを集めて合同会社を設立したり、クラウドファンディングの活用や企業の広告スポンサー集めの方などを検討したりしながら、徐々にプロジェクトとしての体裁を整えていきます。

 

ところが、2013年春。

オランダ側が資金難のため活動を休止。

 

常識で考えれば、日本側も撤退する状況。

 

しかし、袴田さんは、宇宙への夢を追いかけるため、勤めていたコンサルティング会社を辞め、日本単独のチーム「HAKUTO」を仲間たちと立ち上げたのです。

 

「HAKUTO」のそれから

その後のHAKUTOの道のりも、もちろん平坦ではありませんでした。

資金難や、月面探査ローバーを相乗りする予定だったアメリカチームの撤退。

 

そのような状況下でも、袴田さんを中心としたメンバーの宇宙への情熱は、エンジェル投資家の支援や、さまざまな企業の協力を得ることに成功しました。

 

2015年には、「Google Lunar XPRIZE」で中間賞を受賞。
HAKUTOは優勝を狙える位置にいます。
 
アメリカチームに代わって、インドチームとの月面着陸船相乗りの契約も締結。

 

▼詳しくオフィシャルパートナーauのムービーをご覧ください。


【史上初の月面探査レース優勝へ】au×HAKUTO MOON CHALLENGE トレーラームービー2017

 

2017年12月にはついに、HAKUTOの月面探査ローバーはTeamIndusの月着陸船「TeamIndus HHK」に載り、インド宇宙研究機関(ISRO)のロケット「PSLV」によって宇宙空間へと飛び立つ予定です。

※民間初のロボット月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」は公式サイトにて、ミッションの期限を2017末から2018年3月31日までに延長したことを発表しましたので、もしかすると延期もあるかもしれません。 

 

袴田武史の魅力

苦労人

ここまでの情報に目を通すと、袴田さんは失敗知らずのスーパーエリートと思われるかもしれません。

 

実は、そんなことはありません。

 

大学受験では、東工大を3回受験し、3回不合格。

一度は、宇宙とは関係ない大学に進むも、やはり宇宙のことが頭から離れず、名古屋大学工学部を受験。

念願通り約170名の希望者の中、30名ほどしか許されない航空宇宙工学コースへと進学しました。

 

その後のジョージア工科大学大学院への留学中の講演会をきっかけに、巨額な資金を必要とする宇宙開発を民間の手で実現するには、PR活動やコスト削減が不可欠と考え、それならば、その不可欠な役割を自分が担おうと考えたのです。

必ずしも自分がエンジニアとして宇宙開発に携わる必要はない。

エンジニアが効率的に働ける場を作ることを自分の仕事にしようと決意したのです。

 

HAKUTOの立ち上げも準備万端で始まったとは到底言えない状況でしたし、立ち上げ当初、4人の主要メンバーは数年間無給だったと言います。

 

宇宙とビジネスを繋ぐ

宇宙と聞いて、ビジネスを思い浮かべる人は少ないはずです。

 

袴田さん(ispace社)は、 「Google Lunar XPRIZE」のその後のことについても考えており、宇宙資源の採掘権での収益化を狙っています。

月での水や鉱物資源の発見は、今後の宇宙開発を大きく前進させることができます。

 

国が莫大な予算を使って行う宇宙開発だけでなく、民間がコストを抑えながら、持続可能なビジネスとしての宇宙開発を行っていくストーリーを描いているのです。

 

リーダーシップ

HAKUTOのメンバーは、 総勢120名以上。

ベンチャー企業「ispace」と「東北大学吉田研究室」そして、「プロボノ」と呼ばれるボランティアメンバーから成り立っています。

 

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プロボノとは、仕事を通じて培った経験やスキルを活かすボランティアのことです。

宇宙に関わりたい気持ちはあるけれど、仕事などの関係で100%はコミットできない人たちの経験や専門スキルを活用できるスキームを構築し、マネジメントするのは並み大抵のことではできないでしょう。

 

チームハクトは、企業、大学、ボランティアという枠を超え、共通の目的に進んでおり、その中心にいるのが袴田さんです。

 

私が袴田さんを応援する理由

私の友人がHAKUTOのメンバーで、昨年、その友人の結婚式でお会いしたのです。

 

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▲袴田さんと私(目を閉じている写真で申し訳ないです。) 

 

もともと、HAKUTOのことや袴田さんのことは知っていましたので、はるばる福岡の地までいらっしゃるということで、お会いできるのを楽しみにしていました。

 

お忙しいだろうし、いきなり話しかけてもご迷惑でしょうから、お話しする機会はないのだろうと思っていたのですが、仲間思いの袴田さんは三次会まで参加され、私たち素人の質問にも丁寧にわかりやすく答えてくれたのです。

 

三次会ということで、酔っていたので全ては憶えていないのですが、一つだけ強烈に憶えているやりとりがあります。

 

袴田さん

「宇宙への一番の障壁は何だと思います?」

 

私たち

「技術ですか?お金ですか?」

 

袴田さん

「人間の『宇宙は遠いところにある、宇宙に行くのは不可能だ』という心理的な壁です。およそ50年前に、アポロ11号は有人月面着陸に成功しています。技術的にはとうの昔に宇宙に行けるようになっているのです。人々の多くがその心理的な壁を取り除くことができたとき、普通に宇宙旅行に行けるような時代が来ると思っています。」

 

この時の袴田さんの言葉で、不思議と宇宙が近くなった気がしました。

 

本気で信じている人が増えれば、本気の知恵が集まり、お金が集まり、宇宙はより身近なものになるのではと感じました。

 

きっと、袴田さんは相手に合わせて、その人に伝わるように話せる人なのでしょう。

スポンサーになってもらいたい企業の方、エンジニア、財務や法務、PR、営業、デザインの分野のスタッフや協力者。

 

そして、誰よりも「民間でも宇宙に行ける」ことを信じている人なのではないのでしょうか?

 

そんな彼の熱気に、いつの間にかさまざまな人が集まってきて、ついには、2017年12月に月面探査ローバー「SORATO」は月に降り立つのです。

 

その時、日本の人々の宇宙との間にある「心理的な壁」にヒビが入るかもしれません。

 

宇宙がぐっと近くなる瞬間を共有したい。

 

それが、私がHAKUTOと袴田さんを応援する理由です。

 

 

 

皆さんもぜひ、今後のHAKUTOに注目してください。

 

team-hakuto.jp

 

au-hakuto.jp

 

www.asahi.com

 

HAKUTO、月面を走れ――日本人宇宙企業家の挑戦

HAKUTO、月面を走れ――日本人宇宙企業家の挑戦

 

 

【 追記 】

宇宙兄弟に関するコメントを頂きました。

こちらのサイトで宇宙や通信技術の専門的な話を「宇宙兄弟」のムッタやヒビトが漫画を交えて紹介しています。

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